「00-SC 14th Nylon 製作日記」11 |
14フレット接合のナイロン絃の設計は難しい。
従来のクラッシックの設計構造では音が詰まってしまい、とてもじゃないけど使い物にはならない。
ナイロン絃ギターから潤いと艶を無くしてしまったら、製作する意味もない。
例え電気の力を借りるとしても、ない音は出ないし、作れない。
結局は鉄絃で培った設計を基礎としたX ブレーシングを採用し、アレンジするしかなかった。
今も、改良を加えつつ、少しづつ進化している。
が、未だ満足出来ない。
「ナイロン絃はふにゃふにゃのモンスターだよ」と近頃よく口にするようになったが、降参した訳じゃない。
歳を取って少し謙虚になっただけである。
近い内にきっとこの怪物を退治してやると内心闘志を燃やしている。