「00-SC 14th Nylon 製作日記」9 |
ギターに使われている材料は一体何種類くらいなのだろうか?
ブレーシング材の話を書こうと思ったら、ふとそんな事を考えてしまった。
全体から考えるとややこしいので、先ずは部位ごとに考えてみましょうか。
上からですと、ネックですね。
ネック本体は一般的にはマホガニーでしょうね。
そのネックに目をやると、天神と呼ばれるヘッド部分がありますね。
そこにはヘッドプレート用の化粧板が貼られています。
主にローズウッド系の板材ですが、時にはメープルや花梨とかも使います。
スロティッドとなると、装飾板やヘッド裏も考えると、プラス3~4種類くらい増えますね。
次はトップ(表甲)です。
主流はスプルースですが、そのスプルースにも幾種類もあります。
北米からはシトカ・ルッツ・エンゲルマン・アディロンダック。
そしてヨーロッパからはジャーマン・アルパイン・カラパチアンとか産地で呼び分けたりしているので切りがない。
ヒロでは6種類くらいを使い分けていますが、どれが一番なのかは未だによく分かりません。
一枚一枚違う顔を持ち、異なる性質を持っているからです。
残りはサイド・バック(側板・裏甲)ですね。
一般的にはローズ系です。
インディアン・ホンジュラス・マダガスカル・ハカランダを主に使いますが、ブビンガやマレーシアン、時にはウエンジなども使います。
個人的にはメープルが好きですね。
特にヨーロピアンメープルの上品さが気に入っています。
キルティッドもいいですね。
最後はマホガニーですが、柾目はプレーン過ぎて、ちょっと面白みに欠けると個人的にはそう思っています。
でも誤解しないで下さいよ。
音の事ではないですから。
音の事でのコメントであれば、マホガニーの明るく、軽やかさが大好きですと断言しますから。
ギター本体やネックを巻くバインディング材にも、主流はローズ系のインディアン・アマゾン・ハカランダですね。
時にはメープルやコアも使います。
こうして考えているとギターって面白いですね。
いろんな部位の厚みに変化を与えると、ルックスも質感も変わるし、何より音に対しての影響力が凄いと云う事が分かる。
木の柔らかさや硬さ、それに伴う重量とか。
またそれらの条件に対して高さや厚みを如何するのか。
力木の配置は如何なのか。
考え出すと切りがない世界ですし、答えもない。
だからこの年になっても止められないんですね。
面白い世界ですよ。