「ご苦労様」 |
寒い!
今朝は特に冷え込んだ。
寝床から離れるのが辛い。
トイレに行きたくなったので、嫌々起床したのが8時過ぎ。
朝ドラがちょうど終わった頃だった。
台所にいる筈の嫁の姿が見当たらない。
味噌作りの日であった事を忘れていた。
毎年この時期になると味噌作りに励んでいる。
もう20年以上は続いているだろう。
しかし俺の口に入る量は極めて少ない。
9割以上が他人様の口に入るのだから、一体何の為に作っているのかは男の俺には未だ理解出来ない。
そもそも嫁は滅多な事では味噌汁を作らない。
汁物が好きではないらしいからだ。
でも俺と兄ちゃんは味噌汁好きである。
しつこいくらいリクエストを繰り返し、やっと食卓に供されるくらいだ。
自作のお味噌は確かに旨い。
でも悔しいが滅多に味わえないのである。
今や幻の味と化してしまっている。
先日暫く振りに出て来た味噌汁の味が何だかおかしい。
どうも既存のメーカー品を使っている様な気がしたので、
「お味噌はどうしたん?」 と訊ねると
「誰それさんにあげて、もうない」 と平然と宣っていた。
困ったものである。
それでも毎年作り続けるのである。
俺にはその神経が全く理解できないが、それも主婦のお付き合いと言うのであれば、仕方なかろう。
性懲りも無く、今年からは親戚筋へとお味噌作りの輪を拡げてるようである。
娘の家に道具を運び込み、今頃はせっせせっせと味噌作りに励んでいる事だろう。
これで来年にはもう少し味わえる機会が増えてくれればいいのだが、
余り期待をするとロクでもない結果を招く恐れがあるので、受け流している方がよさそうである。
いやはや本当にご苦労さんな事だと思う。