「00-42 1942」 |
恥ずかしながらこのギターは仕入れ失敗の典型的な代物である。
1930年代から1945年までに製造された00-42は非常に少ない。
精々130本程度のものである。その内1942年ものは6本と記録されているので貴重と言えば貴重だが、物が悪くてはどうしようもない。
貴重と言う言葉にうっかり乗ってしまったと云う曰く付きのギターである。
表甲にはとんでもない修理が施されていたのを発見した時には「こりゃ売り物にはならんわ。大損だ!」とガックリ、怒りと情けなさで震えが止まらなかった。
それから一週間ほど自己嫌悪に陥入り、飯が咽喉に通らなかったのを今でも思えている。
それから数十年間塩漬けであった。
幸い側板・裏板のハカランダはパーフェクトな柾目で割れもなかった。
ネックもそのまま使える程良好な状態だ。
だからトップを取り替えるだけの、所謂「リ・トップ」。
設計はより際立った響きを再現する試みでフィールズの設計を採用することにした。
タップでは上手く行ったと確信している。
もう直ぐ完成する。
その節にはもっと綺麗な写真でアップする事が出来るので、楽しみにお待ち下さい。
ご苦労された分、仕上がりが楽しみですね。
それにしても、裏板の木目はすばらしいですね。