「防寒対策」 |
寒い。確かに寒い。
天気予報では一月上旬の寒さだと言っているのだから間違いはないであろうが、
俺はこんなもんじゃないと思っている。
上空に寒気団が訪れ、気温が下がり、空気は冷たくなっているのは分かる。
しかし大地や建物には未だ暖かさが微かに残っており、心底冷え切ってはいない。
当たり前のことだが、寒さはこれからだ。
そうは言うものの暖房器具も使わずにいるのかというととんでもない。
エアコン、石油ファンヒーター、そしてガスファンヒーターという我が家の三羽カラスは既にフル稼働である。
寒いものは寒い。
風邪なんぞ引いても詰まらんではないか。
だから決して痩せ我慢なんぞする気は更々ない。
只、暖房費用の方が気掛かりであるのは確かである。
嫌な季節の到来だ。
そろそろ冬用のタイヤの準備もしなければならない。
誠に面倒である。
郊外に住むのも楽じゃない。
都心に住むも、郊外に住むも足して引けばチャラということかも知れない。
総取りの一人勝ちなんて望むほうが間違いであろう。
そう言えば、今年も暖房効率を上げる方策の実行を忘れてしまっている。
毎年冬の終わり頃に話題となるのだが、未だ何もしていない。
高々天上の梁にカーテンの様なものを吊るすだけのことであるが、
何しろ梁までは相当高いので、通常の高さの脚立では追いつかない。
それに俺は高所恐怖症であるから、アイデアは出すが、手は出さん。
恐らく今年もこの話はなかった事になるだろう。
嫁もそう予想しているに違いない。
何だかんだ言っても俺の防寒対策の一番は熱燗だろう。
俺の体を芯から暖めてくれる可愛い奴である。
肴なんぞなんでもいい。
ほろ酔い機嫌で寝床に入り、数ページ本が読めれば至福である。
ひょっとすると、俺は真冬が大好きなのかもしれないなぁ。