「ホット・ワイン」 |
秋はいい。
それもチョッと寒いくらいがいい。
食べ物が美味くなる。
海の幸、山の幸、と酒の肴には不自由しない。
冷や酒も旨いが、熱燗が特に旨く感じる季節である。
丁度1週間くらい前だったか、
ラジオ放送で、何かの弾みに 「ホット・ワイン」 なる言葉が耳に入ったのだが、
以来困ったことに「ホット・ワイン」が耳から離れないのだ。
ワインは俺にとっては日本酒とウイスキーと並ぶ神聖な飲み物の一つである。
そのワインを温めて飲むなどは外道と言うしかない。
ホット・ワインなんぞ、凡そゲテモノ好きの飲み物以外何物でもない。
そう決め付けていたのだが、、、
何の弾みだったのかは覚えていない。
底冷えの厳しい夜っだた所為かもしれないが、
何気にホット・ワインを試したくなったのである。
恐らく魔が差したとしか言いようがない。
気付いた時には冷蔵庫のドアポケットにある飲み残した赤ワインのボトルを手にしていたのである。
ボトル一本で468円のチリ産のワインである。
ラベルにはカベルネ・メルローと表記されていた。
数年前までは醸造酒を受け付けない体になった身には、
高価も廉価もない、飲めるだけで幸せである。
ワインに凝った事などは遠い過去のことである。
飲み口が宜しければ、それで好しである。
これをレンジでチンであるが、このチンが難しいのである。
無造作ではいけない。
温度には細心の注意を払わなくてはいけない。
これが酒飲みの道と言うものである。
何せホット・ワインなるものは始めてであるから、尚更である。
10秒とか20秒などと、時間では決めない。
表示される温度などは信用できない。
心で決めるのです。
勘働きに頼るんですなぁ。
「ホット・ワイン」 とは要するに燗をしたワインなんですから。
冗談抜きに旨いです。
ここ数日はホット・ワインに嵌っている。
昨夜は鱸の刺身で一杯遣りました。
何にでも合うようです。
今日も行き付けのスーパーでチリ産の 「アルパカ」 を買い足しました。
勿論今夜もアルパカ君で温まります。