「痛いの痛いの、飛んで行け!」 |
目覚めると嫌に咽喉が痛い。
熱もないし、体にだるさも感じないので、風邪を引いたとは思えない。
ただただ咽喉がひりひりするばかり。
不思議なものである。
咽喉に痛みを感じている時は歯の痛みは気にならない。
しかし食事中は、右へ左へと奥歯の詰め物に当たらないように、
食物を移動させながら注意深く咀嚼しているから、咽喉の痛みは全く忘れている。
それに、飲み込む際にも咽喉には痛を感じない。
如何やら、人間には同時に痛みを感じさせないような仕組みが備わっているようである。
恐らく 「痛い中枢」 は一個だけなのだろう。
もし何箇所かの痛みが同時多発的に起れば、
とてもじゃないが、その苦痛に絶えられるとは思えない。
特に俺は痛がりである。
痛いものは痛いのであるから、「痛い、痛い」 を連発して、何が悪いのかと思うが、
嫁にしてみれば、それが煩わしいらしく、「我慢が足りない」 と何時も叱責される始末だ。
結婚生活も30年以上となると、こんなものである。
事務所近くの内科か耳鼻咽喉科へ行こうと思ったが、
生憎水曜日は両方とも休診日であった。
絶えず嗽もし、時折咽喉スプレーもするが、改善の兆候はない。
ひたすら咽喉の上がひりひりと痛い。
この原稿を書いていると居ても立ってもいられなくなって来たので、
今から薬局に走ることにする。
どの様な薬を薦められるのかは知らないが、一度それに乗っかろうと思う。
嫁に 「あんたはほんまに我慢がないなぁ」 と言われそうな気がするが、
そんな事には如何でもよい。
「痛いの痛いの、飛んで行け!」 が先である。