「戻り梅雨の最中の気晴らし」 |
台風11号が戻って来たのではないかと思うほど猛烈な雨だった。
我が家はガルバリウム鋼鈑で覆われている。
だから雨粒で打ち鳴らされる音で雨量の判断が容易に付く。
一見便利なセンサーの様であるが、音は結構煩い。
それと雨音に対し過敏となり、裏の田んぼは大丈夫だろうか、
溝から水が溢れ出しはしないか、と要らぬ事まで思い悩ませられる始末で、
厄介なものである。
お昼過ぎ辺りから小康状態を保っていた雨も、夕方から降り出し始めた。
こんな状態が一週間も続いている。
8月に入ってからはまともにお天道様の顔を見ていないのだから、
例年にない異常気象だと言える。
天気予報も未だ暫くはこんな状態が続くと言っていたので、
気分は明らかに落ち込んでいる。
気分転換には読書が一番なのだが、
雨続きのお陰で買い置きをしていた本も底を突いてしまった。
そうなると気分転換どころかイライラが募る。
一種読書中毒の禁断症状である。
取り敢えず、先ずは押さえにとアマゾンで数冊の購入手続きをしたのだが、
これとて配送されるのは早くても明日の午前中である。
今から読む本は近くの書店に出向くしかない。
一刻の我慢も出来ない程の苛立ちが襲ってくるのだから、
まったくの病気であるとしか言いようがない。
書店へと向かったのだが、未だこれと決めた本がある訳ではない。
ぐるぐると書店の中を歩き回ったが、只只彷徨うばかり。
これでは徘徊老人と変わりはない。
先日購入した池井戸潤の 「銀翼のイカロス」 が目に留まったので、
同じ著者のものを物色することに決めたのだが、
そうでもしなきゃ、とてもじゃないが決めることなんか出来やしない。
彼の作品は嫌いじゃないが、パターン化され過ぎている嫌いがあるので、
正直少々の躊躇いはあった。
でもそんな事は言っている場合ではない。
「空飛ぶタイヤ」 の上下巻を買った。
時計に目を遣るともう午後6時を回っている。
これから読むには時間が遅過ぎるので、今夜のお楽しみにすることにしようか。
戻り梅雨の最中の気晴らしは読書に限るという事だ。