「二時間の中身」 |
夏の真っ盛りのような天気である。
気温はとっくに30度は超えているだろう。
しかし暑い最中のスロジョギは中々いいものである。
例えるならば、真夏に鍋といった感じだ。
たっぷりと汗を掻いた後の水タオルで体を拭く感覚は、
鍋を食べながら冷えたビールをキュウッと飲み干すのと似ている。
思い出したようにスロジョギに出掛けた。
全くのピーカンである。
さぞや外は蒸し風呂状態だろうなと思ったが、蒸し暑さなどは全く感じない。
湿度は恐らく50%を少し超えた程度だろう。
大倉山公園に上り、風に吹かれているとサラサラで気持ちがいい。
時刻は午後3時過ぎ。
公園管理のおじさん達は木陰で休憩している。
俺以外誰も外周路にはいなかった。
誰にはばかる事もなく何時もの調子の超スローペースである。
2周目に差し掛かった時に後ろから人が迫る気配を感じた。
ドタドタと大きな音を立てながら、黒いTシャツに短パン姿の若者が脇を走り抜けて行った。
これに刺激されたのか、もう少しピッチを上げてみようかという気になった。
心持ち歩幅を拡げ、スピード・アップした。
自分の感覚では半周くらいで息が上がるだろうと思っていたが、
意外や意外全くぶれないではないか。
よっし、この調子で後一週と意気込んだ瞬間、
またしてもドタドタ音と共に走り抜かれてしまったのである。
別に競争している積りなど全くないが、意気消沈してしまったことは確か。
帰り道の陸橋のスロープを俯き加減に下って行った。
ゆっくりと体の火照りを取り、濡れタオルで体を拭い、着替えをする。
その間はエアコンは掛けていない。
着替えを済ませた後に冷房を入れ、その序に湯を沸かし、コーヒータイムとなる。
おやつはチョコが2個。
これで元気も回復し、やる気が蘇る。
其処までの消費時間は約二時間である。
お後は帰宅後のビールとハイボールで仕上げとなる次第だが。