「ハイボールの肴」 |
陽光の分量から推し量ると雲は分厚く広がっているに違いないが、
背凭れを倒し、仰ぎ見ると、窓枠の範囲の中では所々に青空が雲の隙間に薄く見えている。
この様子では雨が降り出す気配は感じられない。
今日はバスで来た。
食器洗いに手間を取られてしまい、出発時間に狂いが生じ、
予定より5分遅れで家を飛び出した。
先日のように如何にゆっくりと歩くなんて悠長な事など言っていられない。
急ぎ足でバス停に向かったので、
到着した途端に噴出すであろう汗が心配の種だったのだが、
外は思った以上に強い風が吹いていた。
これが幸いし、意外や意外汗もそんなに掻かずに済んだ。
然もバス停には発車時刻の2分前に到着という正に理想的な按配となり、
「やった!」 と心の中でVサイン。
事務所の郵便ボックスを覗くと宅急便の不在通知が入っていた。
例の駐車場の全日定期券が送られてきたようだ。
早速連絡を取り、午後4時の受け取りを希望した。
週明け9日から有効となる筈である。
定期券があると駐車料金の管理は楽になる事のは確かだが、
その一方定期券その物の管理には気を遣う事となる。
中々丸儲けは出来ない。
それでもこのまま推移すればの話だが、料金は何割かは安くなる。
便利と不便は裏返しに存在するのであるから、
まぁ暫くは遣って様子を見るしかないであろう。
「今からそちらに向かう」 と嫁から電話が入った。
待ち合わせはご近所の 「ライフ」 である。
今から今夜のおかずを考えねばならぬ。
そうそう、忘れていたが、先日兄ちゃんが冷蔵庫に入れていた
缶入りのハイボールをこっそりと飲んでしまったので、買い直しをしておかねばならない。
久し振りに飲むと旨かったので、炭酸水も買っておこうか。
確か未だオールドパーがあった筈である。
これに合うおかずは何であろうか。
チョッと変わったものにしようかと意気込んでいる処であるが、分からない。