「5月21日午後4時の空」 |
夜中に突然雷鳴が轟いたと台所で騒いでいたが、
ぐっすりと眠りに就いていた所為か、何の事やらさっぱり分からない。
昨日の帰宅時には確かに雨がしっかり降っていたのは覚えているが、
まさか真夏ではあるまいにと、今でも内心疑っている。
俺はその手の音には敏感だから、そんな大音量なら必ず飛び起きて大騒ぎするか、
黙って布団を被って雷様が通り過ぎるのを待つかどちらかだ。
起床した頃は未だ雨は残っていた。
この調子では天気はずれ込み、日なか鬱陶しい空を見続けるのかと思うとうんざりだ。
しかし午前9時を過ぎた頃から陽が時々差し込むようになったので、
多少は天気回復の期待が持てるかも。
今日の段取りは事務所のお掃除だ。
段ボール箱が増え過ぎ、整理をしなければ、場所を取られて仕方がない。
段ボール箱を潰しては畳み、潰しては畳みを繰り返す作業は結構腰に来る。
時折腰を伸ばし、体操紛いの運動をするが、体の節々が痛くて仕方がない。
やっと作業も終わりに近付き、一段落した。
コーヒータイムにしようと思い、窓の外を見ると、
いつの間にか見事な青空に覆われているではないか。
薄暗い部屋の奥での作業だったので、天気の変化には気付かなかったようだ。
無性にカメラに収めたくなった。
別段如何って事のない光景だが、薄暗い部屋から急に明るくなった空を見たからだろうか。
そんな衝動に駆られてしまった。
ガラス窓を通して写そうか、それとも窓を開けようかと迷った。
ガラス窓を強化する縦の細い筋が邪魔だと思ったからだが、
何だかこの方がリアルな感じがしたので、思い直した。
何度も取り直したが、ボケている。
これも味である。
ご賞味下さい。