「能天気」 |
真夜中に目が覚めた。
悪い夢を見ていたようだ。
その中身は覚えていないが、熱く、息苦しかった。
両肩辺が妬けに熱い。
枕元を見るとユタポンが二つ転がっていた。
そう言えば、極寒の寝室で読書を終えた後、
両肩が何時もより妙にスースーするので、足元にあったユタポンを右肩に、
そして腰に当てていたものを左肩に持って来たのだった。
どうも此奴等の悪戯だったようだ。
夜中に2度起きると寝覚めは悪くなる。
午前7時半くらいに起床したのだが、台所が騒がしい。
嫁も兄ちゃんも忙しく身支度をしている。
俺一人、お呼びじゃないといった雰囲気だ。
「どうしたん?」
欠伸をしながら、能天気に訊ねた。
「外見てみ、雪が積もっているねん」
「ふ~ん、久し振りやな~」
とこれまた能天気な返事をしたが、どうも雰囲気が悪い。
二人の目線に険しさを感じる。
俺の相手をしている暇などないといった空気だ。
予定の出発時刻より早めに出掛けるらしい。
それでバタバタしているのだ。
どうやら車のフロントとリヤが凍っているらしい。
この場の空気では、俺が薬缶に微温湯を入れ、車に掛ける役目と読んだ。
正解だった。
これで皆の行動が纏まった。
手早くパジャマの上に厚手の作務衣を着込んだ。
薬缶に微温湯の用意をし、更に車の暖気運転をしておき、出発間際に湯を掛けるのである。
暫くして身支度を整えた二人は其々の車に乗り込む。
そしてお見送り。
これで俺の役目も終了だ。
正にバトラーの気分である。
ここで一つミスをした。
雪景色をカメラに収めておけばよかったのだが、
「後でもいいや」 と思ったのが、間違い。
雪は解けるという事を忘れてしまっていた。
御蔭で、文章を多めに書かねばならぬ羽目となり、いま苦労している。
取り敢えず、今日の深夜から今までの経過を書いてみた。
全く能天気なブログである。