「二の足を踏む、、、」 |
湿りを含む空気がこれほど重く、鬱陶しく感じたのは引っ越してきた年以来である。
あの時も五月雨が執拗に振り続いていた。
除湿機、エアコンを総動員し、約一月掛けて湿気を抜いたが、
明くる月に来た電力会社からの請求書を見た瞬間、
倒れそうになった記憶が未だ生々しく残っている。
昨日は風に誤魔化された。
洗濯物を内干しにするか、外干しにするかで迷っていたが、
木々が揺れ動くくらいの風であったので、外干しと決めた。
しかし、その風が含む湿気の計算までの心使いは出来なかった。
乾くどころか、よりドッシリとした湿り気を蓄えていた。
調理で火を使うと、そこから発せられる熱気は尋常なものではない。
蒸し暑い上に、もう一段上の熱さが被さって来るのだから、堪った物ではない。
扇風機など回そうものなら、熱風に吹かれ、より不快感を増すだけだ。
さすがの嫁もこの暑さと湿気にはお手上げ。
渋々エアコンの使用を認めざるを得ない状況となった。
台所とリビングの2台のエアコンのスイッチを同時に入れた。
今年初めての使用だ。
昨年はリビングのエアコンの水漏れ騒ぎで
てんやわんやした苦い思い出が未だ残っているので、
一種お試しの意味も兼ねての運転である。
矢張り2台同時に回すと瞬く間に湿気が抜けていくのが実感できる。
ベタついていたフローリングの表面から湿気が取れ、
サラサラとした感触が足裏に伝わり、足取りも軽く感じる。
そこで嫁より台所のエアコンのスイッチ・オフとのご命令、そして扇風機の出番。
夕食もご機嫌のうちに終わり、我が巨人軍の快勝のニュースも入り、全ては快調であった。
夕刊を拡げ、三面記事などに目を通していた時、
「ぽたぽた水の落ちる音が聞こえる!!」
傍らの嫁が素っ頓狂な声を上げた。
答えは分かっている。
またしてもであった。
エアコン本体は異常なし。
ドレインの排水出口の処理の問題であるのはこれで確定した。
明日の朝にパイプの先を切り、ネットを被せることにしよう。
ここ数日はエアコンのお世話になることだろう。
幾ら省エネとは言え、家を痛め、体を痛めては適わん。
便利さを履き違えるのは本末転倒である。
でも、請求書のことを考えると二の足を踏んでしまう。
そんな自分が情けない。