「ひょっとして、、、」 |
東京のKさんから電話が入った。
数日後に来店されるという。
ギター調整の件もあるが、彼も呑み助であるから、
どちらかと言うとチョッと一杯との話となてしまった。
先日も尼崎のHさんが来られ、
久々に週末にでも一杯遣ろうかとの約束を交わした矢先のことである。
この手の約束は即断・即決で、普段の優柔不断な態度とは180度の変わり身である。
KさんとHさんとは顔馴染み。
酒の取り持つ縁である。
こうして人の輪が広がって行くのも悪くはない。
両人とも温厚篤実な人柄である。
お酒が入っても崩れない。
実に紳士である。
しかし車に乗ると人が変わる。
この話を持ち出すと、本人たちは否定する。
しかしご両人の運転する車に乗り、恐怖を味わったのは幾度かあり、紛れもない事実である。
とまぁ、こんな下らない話を大の大人がワイワイガヤガヤと遣りながら
一杯飲むのが格別に旨い。
酒云々というよりも、その場の雰囲気というか、互いに共通した趣味が介在し、
忌憚なく会話できる空間が好きなんだと思っている。
近頃やっと梅雨らしくなった。
しかし、なったらなったで矢っ張り鬱陶しい。
日照り続きの方がよかったなんて不埒にも思う己の身勝手さに呆れてしまう。
そう言えば、今年は蛍とはお目に懸からなかった。
蛍見物の人とは何度も行き違ったが、今年は如何だったのだろうか。
心に余裕がない所為か、ゆっくりと川辺を覗くこともなかった。
今夜あたりにでも様子を伺ってみよう。
もう時期を失しているかもしれないが、
ひょっとしたらを期待して目を凝らしながら川辺をぶらつくのも悪くはない。