「いい笑顔」 |
昨夜は読書にのめり込み過ぎた。
これが祟り、寝坊をしてしまい、起きた時には誰もいない。
台所の暖房器具は消されていたが、ほんのり暖かさは残っている。
連ドラも既に終わっており、テーブルにあった朝刊を手にしたが、
さして興味を引く記事もなく、スポーツ欄だけで読み終わった。
所定の朝食を済ませ、洗い物を片付け、アイロン掛けへと進み、洗面所へと向かった。
誰がいようと居よまいが、相変わらずの日常である。
洗面所ではひとつの儀式を執り行うのを日課としている。
鏡に映る己の顔を繁繁と見詰め、目を閉じ、深呼吸を二度する。
今日のスタートに感謝をし、身の回りの人達の幸せを願いつつ、
その笑顔を思い浮かべる。
そして遣るべきことを遣ろうと誓うのである。
これだけの事である。
数年間同じ儀式を毎朝忘れずに遣っている。
寝る前にも似たようなことをするが、別段なんの変化もない。
かと言って、悪い気もしない。
でも気は落ち着くようだ。
これがメリットかもしれないが、保証はない。
自分がいいと思っているのだから、いいのであろう。
工房ではブロック付けがほぼ完了していたので、写真を撮った。
徐々にギターの姿に近付いてくる。
次の作業はカーフィング張りとなり、表甲と裏甲を張り合わせていくのだが、
その前に最も重要なブレーシングの作業が待っている。
楽しみと共に、緊張を強いられる期間でもある。
折角写真を撮ったのだから、アップします。
僕だけがこれらの側板のギターのお客さんの顔を知っている。
そのお顔が笑っておられる姿を想像しながら、この原稿を書いている。
僕の至福の瞬間です。 (*^^)v