「鯛焼き」 |
嫁から印鑑証明一通仰せつかっていたことを思い出した。
区役所に出向こうとした矢先、娘より電話が入った。
もう直ぐ事務所に着くと言う。
引越準備の各種手続きを済ませ、疲れたので一服したいとのこと。
手土産に鯛焼きを持参していた。
「鳴門金時鯛焼き」と言うらしいが、初めて聞いた。
娘に言わすと結構人気があるそうだ。
残念ながら、お昼は先程済ませたばかりで、腹一杯だ。
昨夜のカレーをてんこ盛りにして食って、少々胸焼け気味である。
娘には悪いが、全く食べる気がしない。
「持って帰って、明日の朝食替わりに食べるわ」
お礼を言いつつ、袋の中を覗いた。
どっしりと重く、皮は俺好みの薄皮のようだ。
餡子も食み出すくらいに入っている。
「やっぱり一個タ~べよッ」
娘は平然と件の袋から一個取り出した。
つられて手を出しそうになったが我慢した。
コーヒーを所望し、それを悠然と飲みながら、鯛焼きを美味しそうにパクついていた。
娘は新居の方角へ、自分は区役所へと事務所ビルの前で別れた。
区役所へは徒歩で20分の距離。
お散歩替わりと思えばいい。
区役所の窓口で発行の申請書を書こうとしたが、はたと困った。
嫁から預かった袋には登録カードが2枚入っていたのだった。
番号だけで、名前は記入されていない。
受付係りの人に訊ねると「番号欄に2通りを記入して下さい」との指示を頂いた。
発行時に番号の確認をし、今後に備えた。
この歳になっても、分からない事は多くある。
事務所へ帰ると、コーヒーが飲みたくなった。
結構汗を掻いたようで、喉が水分を欲していた。
何時もならばチョコレートを2個という処だが、
今日は鯛焼きの袋に目が惹きつけられてしまい、この誘惑から逃れられそうにない。
区役所までの往復で、胸焼けは取れ、小腹が空いていた。
初めての味だった。
あっさりとした芋餡。
悪くはない、と言うより、美味いが勝っている。
人気がある筈だ。
焼きたてであれば、もっと美味いに違いない。
紙袋には、皮全体に水を付けオーブントースターで2~3分焼けば、
出来たてのカリカリ感が戻ると書いてあった。
明日の朝、早速試してみよう。
娘には「また買って来て!!」と催促メールを送っておいた。
世の中には次々と美味しいものが生まれているんですなぁ。
感心する。
確か、一個140円とか言っていたが、安いのか高いのか、判定は難しい。
七個買って、千円でお釣りが来るのであれば、納得する。
が、一個140円なら買わない。
そんな気がする。
如何なんだろう、、、?
最初は並ばないと買えなかったけど、その内鯛焼き屋だらけになって、すぐに消えてしまいました。
ダイエットブームもあって、甘党の商売も大変だと思いますが、日本人の飽きやすさに呆れてしまいますね。
それとブームに乗って乱立して、ダメだったらすぐにやめてしまう変わり身の早さ・・・
ちょっとやったぐらいで「できひん」言うたらあかん!!
けど、うちの商売みたいに「その内ええ事あるかも」ってしがみ付いてるのもなんだかなって思いますけど・・・