「頗る上機嫌・キルティッドな空」 |
一昨日工房見学をされた京都のHさんから手土産を頂いた。
大好物の粒餡入りの最中だった。
地元特産の「丹波大納言」小豆で作られた銘菓、その名も「丹波大納言」という。
一つ一つが丁寧にパッケージされて、そのパッケージには日本一と堂々と唱っている。
我々は小豆の王様を「大納言小豆」と呼んでいるが、
そんなに軽々しいものではございません、というのが分かった。
名の由来を調べると面白い。
徳川時代では殿中で抜刀すれば切腹という厳しい法度があり、
例外は「正三位・大納言」以上の官位のもの。
そこから「煮ても腹切れが起こらない」という意味を込めて
大納言小豆と称されるようになったという説が一般的。
今では北海道産がメインであるが、
実は丹波地方が発祥の地であり、その品質は別格のものだ。
粒度も5.5mm以上のもの。
姿・形も明らかに違う。
丹波大納言は俵型をしている。
北海道産は丸みを帯びている。
縦に12段積み上げ、煮て腹を割らない所以である。
色味・艶もより鮮やかだ。
中でも亀岡馬路地区で栽培されているが最上の品。
馬路大納言と称され、平安遷都以来の由緒ある小豆である。
その小豆と砂糖だけで炊き上げられた極上の粒餡が入った最中である。
菊のご紋章の形をしている。
如何にも、といった感じだ。
艶がいい。
ねっとりとした舌触りである。
最中の皮とよくマッチしている。
姿も、味わいも上品に仕上げられている。
欲を言えば、もっと餡子を入れて欲しい。
まぁ、それでは品位を汚すことになるのだろうが、
餡好きからすれば、下世話でも、餡を沢山食べたい。
実はお散歩から帰ったら、おやつに食べようと、内緒でカバンに一個忍ばせ持ってきた。
午後2時過ぎにお散歩に出た。
空は一面、薄ねずみ色をした雲が覆い被さっていた。
雨の心配はないと天気予報では言っていたが、少々不安。
でも、小一時間何事もなく散歩を楽しんだ。
帰る頃には空は明るくなり、青空も顔を覗かせ、雲の色味や模様に変化が現れ出した。
そんな気配に秋を感じる。
「この雲は何かに似ているなぁ?」
上空を眺め、しきりに考えるが、思い浮かばない。
部屋に戻り、汗を拭い、コーヒーを入れた。
「丹波大納言」を取り出し、パクリと半分齧った。
そして、二口、三口で食べてしまう。
決して、お上品ではないが、この方が美味いと感じるのだから仕方がない。
糖分が頭に入ると、先程の雲の形が分かった。
キルティッド模様だ。
今製作に取り掛かっているメープルの模様によく似ている。
急ぎ階下へ降り、カメラを向けた。
Yさんが突如ご来店。
居ても立っても居られなかったらしい。
例の41を取りに来られた。
バランスが良いギターだ。
まだ40歳のギター。
もっと弾き込んで行けばまだまだ鳴る。
先が楽しみな楽器。
愛くしんで欲しい。
今日は頗る上機嫌。
おやつに「丹波大納言もなか」を食べ、「キルティッドな雲」をカメラに収め、
いいギターをお世話できた。
そして、ヤンキースのイチローがダブルヘッダーで8打数7安打。
しかも4盗塁。
いい一日だ。
(((o(*゚▽゚*)o)))