「彷徨い」 |
意識が朦朧としている。
午後5時。
窓の外に広がる南の空は未だ明るく青い。
3時頃に散歩から帰り着替えを済ませた。
思った以上に汗をかいた。
そろそろ濡れタオルで汗まみれの体を拭った方がいいのかもしれない。
水分補給替わりにコーヒを飲んだ。
序にチョコレートを2個口に入れた。
パソコンに向かいメールをチェック。
昨日、持参した駐車場のレシート類を整理しなければならない。
プラスティック・バッグに詰め込んだレシートを机の上に掴み出した。
山のようにある。
うんざりだ。
椅子に座り直し、じっと見詰めていると眠りに落ちていた。
隣のドアの音で目が覚めた。
体が重い。
いつの間にか季節は変わってゆく。
公園の桜は開花していた。
数日経つと満開になるだろう。
風は残っていたが、昨日の嵐と打って変わり澄み切った青空が広り、
広場には相変わらず元気なはしゃぎ声が飛び交い、子供たちが遊びまわっていた。
グランドでは高校生の軟式野球の試合が行われていた。
いつもとは真剣さが違う。
どうも公式戦のようである。
ゆっくり観戦したいのだが、そうも行かない。
グランドをぐるぐる回りしながら観戦を目論むのであるが、
一方方向に周るので首は絶えず左ひねりとなる。
首が痛い。
回れ右。
反対周りに切り替えた。
野球といえば、我が巨人軍は不甲斐ない。
未だ開幕して数試合なのだが、どうも打線の調子が上がらない。
あれだけの補強をして勝てないようであれば、巨人を見限り、オリックスに鞍替えをする。
本気でそう思っている。
そういえば嫁さんが、新聞屋さんが来て、契約の切り替えの時期が云々と言っていた。
これ以上勝てないようであれば、契約更改をしないと言ってやろうと思ったが、
新聞屋のおじさんには何の罪もないので止しておこう。
それにしても情けない。
彼らの勝利こそが俺の気分の安定を担っているという事が分かっていない。
ファンとはそういうものである。
喝っ!だ。
頭がボ~ッとしていると碌な考えしか浮かばない。
机の傍らに山と積まれたレシートが待っている。
そろそろ始めなくてはならない。
月別に仕分けをし、計算する。
あぁ~、嫌だ・嫌だ。
その前に、もう一杯のコーヒーと行こう。
これで駄目なら明日の事にしよう。
頭の中は行ったり来たり。
彷徨い続けている。
まるで、やる気が起こらない。
巨人ファンやから、思った以上に汗を掻くんや。
巨人ファンやから、仕事が溜まってうんざりするんや。
巨人ファンやから、身体が重くなるんや。
巨人ファンやから、首が痛くなるんや。
巨人ファンやから、情けなくなるんや。
巨人ファンやから、頭がボ~ッとしてくるんや。
巨人ファンやから、嫌になるんや。
巨人ファンやから、頭の中が彷徨うんや。
巨人ファンやから、やる気が起こらなくなるんや。
阪神ファンに、なりなさい!