2011年 12月 27日
「ネック・リセット」 2 |
手順としてはボディー上の指板を剥さなくてはなりません。
硬化した接着剤を緩めるには熱を掛ける必要があります。
電球の熱を利用します。
物凄く熱くなるので表甲の塗装面を保護する為に断熱材で覆います。
一度、セルロイドを使った模造の貝がインレイされており発火したことがありました。
それほどの熱を掛けるという事です。
数分で熱くなります。
電球を消し、サウンドホール側から箆(へら)をユックリと入れて行きます。
焦らずユックリとやります。
接着剤の緩みが弱ければ再度熱を掛けます。
指板の根元まで剥れたらOKです。
次は蒸気をネックの根元に入れ、接着を緩めネックを抜く作業です。
圧力鍋の登場です。
12thフレット接合の場合は13thフレットを抜きます。
14thフレット接合の場合は15thフレットを抜きます。
左右どちらでもいいですから、端から10数ミリの位置にドリルで穴を開けます。
蒸気を送り込む穴です。
そこにノズルを差込み、圧力鍋で熱せられた蒸気をダブテイルの隙間へ送り込む寸法です。
蒸気が回ると外に出てきます。
頃合いを見てネックを捻じる様に力を入れるとグラットとした感じになります。
そうなれば〆たものです。
あっけなくネックは抜けます。
もし、硬ければもう少し蒸気を入れます。
くれぐれもやり過ぎないよう注意してください。
つづく
by hirosanguitars
| 2011-12-27 13:53
| ギター おもしろ・メモ
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Comments(2)
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もーりす君
at 2011-12-27 15:29
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注意するも何も、絶対しないですから。
細心の注意を払ってする作業でも、熱とか蒸気とかだけでも多少の影響はありますよね?
よっぽどの状態になるまでリペアしない方がいいのでしょうか。
細心の注意を払ってする作業でも、熱とか蒸気とかだけでも多少の影響はありますよね?
よっぽどの状態になるまでリペアしない方がいいのでしょうか。
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hirosanguitars at 2011-12-27 18:42
ギターは薄い木の張り合わせで出来ています。長年使うと歪みが出て来ますから、リペアーが必要になります。大切に扱う事が大事ですね。