「Ervin V. Somogyi」 4 |
日本で彼の作品を初めて手にしたのは
1985年製作のMDCのハカランダだった。
このギターは先ず東京のK店で売られた。
それを関西在住のO氏が買った。
それを下取りした。
そういう経緯であった。
が、なぜK店へ?という疑問は残った。
程なく判明した。
実は、前述した初注文のギターが完成したとき、
普通であればK・E社を通じ入ってくるのであるが、
Ervinが気を利かせ、
彼の知人の名古屋在住のアメリカ人のS氏が
たまたま帰省しておられたので、
彼にそのギターを託したのであった。
そのS氏が事務所に来られたときに聞いた話なのであるが、
当時Ervinは日本へギターを売りたかったが、
その伝手がない。
それでそのギターも彼が日本へ持ち帰り、
K店へ持ち込んだとのこと。
只、そのギターを通じて知り得たことが何点かあったことは、
その後の注文にプラスとなったことは確かである。
やはり肝心なことはネックサイズだった。
彼らのスタンダードは我々にとってはでかすぎる。
その時もネックはマーチンサイズとしたのであるが、
後年ソモギ・ギターはソロ・ギター音楽に
より適しているとの判断から、44mmサイズへと変更した。
要は、ソロといえばフィンガーピッキングという観念が定着しているが故、
少し幅広ネックがいいと思われている。
確かにマーチンサイズでは少々狭く感じることは事実である。
しかし、そのサイズのほうが弾き易いと思うプレーヤーも多くいることも事実である。
ここでも絶対解はないという事である。
只、自分は44mmが程よいサイズだと決めただけである。
フィンガー・ピッキングでも
フラット・ピッキングでも
対応できる最大公約数のサイズと判断したに過ぎない。
ソモギ・ギターはフラット・ピッキングでもOKである。
どうもフラット・ピッキングはブルーグラスの奏法や
ストローク奏法だと思われているきらいがあるが、決してそうではない。
よく反応する楽器はどの奏法にも耐える能力があると思ったほうが良いと思う。
実は、弾くということは楽器をいかにコントロール出来るかということである。
出来るだけ固定観念にとらわれずに自由に考えて、
楽しむことが大切だと思う。
つづく
・・・1985年と言えば、
日本ではバンドブームというか、おニャン子旋風のころでしょうか?いずれにしてもまだアコースティックギターブームが来るずっと前だったとは思うのですが、ソモギ氏は何故、日本のマーケットなどに関心があったのでしょうか?バブル期で日本の景気が良かったからでしょうか?
それと、ヒロさんは当時のソモギギターのどんなところに、自分の商品にしようと思うまでのポテンシャルを感じたのですか?
毎日読んではいるのですが、真面目に仕事してたのでコメントする時間がなかったです。(家のPCはまだ故障中です)
ギターの難しさを痛感している今日この頃(今に始まった事ではない)ですが、押絃の位置が悪いと、隣の絃に触れてミュートがかかってしまったり、倍音が鳴ったりで、ギターを身体の一部に感じるのはいつの日になるのやらと思っていましたが、それで(それだけじゃないでしょうが)クラシックギターはネック幅が広いのですね。
短かぶっとい 親父似の指を恨みますww