2010年 12月 15日
フィールズ 00-SC 14th ナイロン絃 |


いたが、従来のクラッシックギターとは全く違うアプローチをしなければ解決しない課題が
数多くあることが判明した。頭の中での作業であるが、毎日堂々巡りの連続だった。或る日、
ふと浮かんだ事があった。ナイロン絃と鉄絃は別物であるという考えを捨てる事だった。
正確にはナイロン絃・ギターとスチール絃・ギターという分け方をしないという事。
要は、ギターであることには間違いないのであるから、今まで通りの設計方針で行くと
いうことだった。ただし、ナイロンという素材と鉄という素材の特性を把握しなくてはいけない。
これで頭の中は整理された。
上記のギター設計の考え方は自分の思っているギターへの考え方と同じであった。
ギター音楽への考え方といってもいい。世間ではナイロン絃ギター、すなわちクラッシック
ギターといわれ、スチール絃ギターはウエスタン或いはフォークギターと分けて呼ばれ
ている。音楽形態が完全に分離されていた時代ではうなずける事ではあるが、ソロ・ギター
音楽が認知される時代に入ったのである。分ける必要性は皆無といっても過言ではないと
思う。むしろ、プレーヤーサイドからすれば2種類の音色を使い分けた方が表現力は倍加
すると思うのだが、如何であろう?
ただし飛び越えなくてはならない壁がある。鉄絃の世界から見れば、従来のクラッシック
ギターの弾き難さである。絃高が高すぎるのと、ネックの太さが正にネックとなっている。
ネックサイズの問題はどうにでもなるが、絃高の課題はきつい。高さを下げるとテンション
が低くなる。そうなると極端に反応が鈍くなる。これらの課題にチャレンジしたのがこのギター
である。上手くいったと思っている。吉田次郎氏はこのフィールズ 00-SC14th ナイロン絃
ギターを「ナイロン絃のエレキ」と呼んでいる。それ程、弾き易いギターとなった。このギターで
新しい音楽の世界を築いていってくれればいいなと思う。
皆さんに是非とも使っていただきたいギターの1本です。
by hirosanguitars
| 2010-12-15 14:48
| あんな・こんな ギター
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