「誕生日の前に想う」 |
もう月半ばとなった。
来週の今日は誕生日であるが、67歳ともなると、嬉しくもめでたくも無い。
こんな歳まで生きて来たんだとの感慨が強く、胸の中にひんやりとした寂しい空気が充満している。
仲間は皆定年退職し、好々爺然として、悠々自適の生活を送っているようで、羨ましく見えてしまう。
しかし、面白いもんである。
相手は俺のことを、定年の無しで好きな仕事が出来ていいなと、羨ましく思っているらしい。
俺からすれば、何を!アホ抜かせ、一生働き詰めなんや、と言い返したいのだが、大人気ないので、咽喉まで出掛かった声を引っ込める。
無いものねだりなんでしょうな。
人其々に、其々の事情を抱えて生きている。
分かっちゃいるけど、他人のことはよく見えるんですね。
他人を羨ましがる暇など無い。
俺は次の計画を練っている。
上手く行くかどうかは遣ってみないと分からん。
でも、そんな計画を練っている時間が一番好きなのである。
寝床に入り、読書をする。
そして眠りに就くまでの時間が俺のシンキングタイムであり、同時に至福の一時と言える。
嫁は、一生働き詰めはボケ防止に一番と、嗾けてくる。
おだてられ、励まされ、そして踊らされる。
それもこれも食って行ければの話であるが、人生とはそんなものであろうか。