「勳煙剤とチキンラーメン」 |
こう毎晩天井裏を歩き回られたら、堪ったもんじゃない、こちらが逃げ出したい思いだ。
「またゴソゴソ歩いていたなぁ」
今や朝の挨拶代わりの言葉になってしまったくらい、困惑しきっている。
見えない敵との戦いである。
プロに応援を頼むのが手っ取り早いと思い、区役所に相談してみる事にした。
親切な対応であった。
駆除業者と提携しているらしく、業者から電話を待つことになった。
事務所へ向かう車の中で電話を受けた。
折りよく兄ちゃんが乗っていたので助かった。
車を脇に着け、電話を代わった。
矢張りプロである。手際よく的確なアドバイスを頂いた。
捕獲檻と勳煙との二重作戦を執ることにした。
但し時折猫が入る事があるので、そのときは速やかに逃がして下さいとの事。
餌はチキンラーメンがいいようであるそうな。
市販の忌避勳煙剤を買いに行こうとしたが、事務所周りには3軒の薬局がある。
価格と在庫を調べる為に、面倒だが、西から順にリサーチする事にした。
遣ってみるものです。
結構な価格差のあることが判明した。
一個に付き200円の差があった。
ネット通販の最安値とほぼ同等の価格だ。
と言うことは〆て1000円の節約が出来たと言うことになる。
単純に頬が緩む。
明日にでも実行し、頃合いを見計らって、大工さんに徹底的に侵入口を塞いでもらおう。
大工さんには既に打ち合わせ済みで、塞ぐ材料の手配完了しており、用意万端ととのっている。
帰りにはチキンラーメンを買って置かねばならない。
しかしチキンラーメンは俺にとっては好物の一つである。
それ故それをアライグマごときに、先に食わせるのは片腹痛い。
先ずは俺が食べるのが筋である。
明日の昼にでも食べようかなと思っているのだが、
それは大人気ない行為であろうか。