「三毒」 |
一日中降り続くだろうと思っていた雨は止み、西の空が明るい。
窓を通して見る南の空には西から東へと白っぽい雲が帯状に流れている。
如何やら天気は回復に向かっている様子だ。
兄ちゃんから無料で映画を見ることが出来るサイトがあると言う情報を手に入れた。
早速クリックするとGYAOが配信している動画サイトだった。
暇潰しにはもってこいなのだが、俺の性格からすれば、余り深入りする可能性が大である。
そうなると仕事に差し障りが出るので、程々にと自らを戒めた。
暫く配信中のものを物色したがどれも古く、然もB級ものが大半であるので、少々がっかりした。
それでも根気よく探していると面白いものにぶつかった。
マイケル・ムーア監督作品 「キャピタリズム」 である。
資本主義に毒されたアメリカ社会を痛烈に描いている映画である。
この監督の切り口は善悪を描くバランスはない。
金融資本を一方的に悪と名指しにし、
1%の富裕層と95%の貧民層に分かれる超絶な格差を生み出す社会構造を糾弾している。
こういう映画が撮れ、そして一般公開されるアメリカという国に改めて感心させられた。
アメリカは労働を尊ぶ中間層を切り捨て、金が金を生む金融社会を是とし、
労働という高コストは否とし、より安い労働市場へと生産をシフトさせたのである。
日本もそれを真似た結果が今の姿である。
TPPでも締結されれば、やがて日本はもっと酷い状況に陥るのは必然だろう。
偶々今読んでいる本の中 「三毒」 という言葉に出会った。
「三毒」 とは仏法が説く害毒で、貪欲、瞋恚(しんに)、愚痴のこと。
即ち、むさぼり、いかり、おろかさの三つである。
人の世の争い事はこの三つの毒で説明がついてしまう。
つらつら考えるとその通りである。
もう何千年前にそう説かれているのだが、如何も俺達は同じ過ちを繰り返している愚か者である。
明日は嫁と共に期日前投票に行く積もりでいる。