「目止めの話」 |
一歩一歩ずつだが、着々とギター作りは進んでいる。
数日前にブリッジのことを書いたが、今は目止め作業に入っている。
この目止め作業だが、結構厄介なものである。
要は木の導管溝を埋める作業なのだが、時間が掛かるのが玉に瑕。
各メーカーも苦労している筈である。
何十年と考えているが、これと云った妙手を思い付かない。
今は 「アクア・コート」 という目止め剤に取り敢えず落ち着いている。
何度も何度も塗っては削り、塗っては削りを繰り返しながら溝を埋めて行く。
それでも目痩せは必ず起きる。
それに常時ピカピカであると言う必然性にも疑問を感じているので、
程々でいいと思っているのだが、もし目痩せが起らないようにしようとすれば、
時間をたっぷりと掛けて、厚塗りするしかない。
ギターは音を出す道具である。
とすれば、その道具の使命は音である筈。
この理屈からすると、音響優先を考える限り、厚塗りは厳禁という事になる。
だから、薄化粧でいいと思って、少々の目痩せは仕方がないと開き直っている次第。
でも本音は薄塗りで透明感があり、
目痩せしないのが一番いいと云う事は重々承知している積もりだが、
でも残念ながら、今はその技術は持ち合わせていない。
夢の目止め剤との出会いを、毎夜毎夜夢見ている今日この頃である。