「穏やかが何より」 |
今夜辺りがホタル見物のピークとなる筈だが、
それにしても先日の年寄り集団のマナーの悪さにはほとほと呆れ返ってしまった。
思い出す度に気分が悪くなるので、忘れてしまうように努めているのだが、
時折ムカッとする。
我が家の前は細い道を挟んで川が流れている。
街灯もなく、車が擦れ違うには苦労するくらいの細い道である。
川沿いにはガードレールが施されているが、反対側は田んぼである。
一つ間違えれば田んぼの中に横倒しになってしまう。
先日の金曜日の事だった。
その夜は幸いにも数人の見物人しか見掛けなかったのだが、
この橋を曲がれば後もう少しで家に着くと思った処で
一塊の集団がヘッドライトに浮かび上がった。
子供は何時飛び出して来るか分からないので、速度を緩め、用心に用心を重ねる。
よくよく見ると、どうやらお年寄りの集団であった。
偶々のことであろうが、この集団のマナーの悪さときたら、如何仕様もない。
明かりを付けた車が近付いているというのに、
避ける気等サラサラ無いといった調子でお喋りを続けている。
こちらもクラクションは鳴らしたくはないので、ライトをパッシングして注意を促した。
これを何度か繰り返し、やっとの事で家の前まで来たのだが、
幸か不幸か我が家の前はホタル見物にはベスト・スポットであるらしく、
大勢のお年寄りがいた。
家に入るにはバックで進入しなければならないので、非常灯を点滅させ、
暫し車を止めて待ったのだが、如何やら相手はこちらの意図が分からない様子だ。
窓を開けて 「すいません。車をバックさせて家に入れますので、少し移動して下さい」
と声を掛けた。
聴こえているのか聴こえていないのかは分からないが、一向に動く気配はない。
もう一度パッシングをした。それでも駄目だった。
こうなれば車から降りて、説明するしかないと思い、ドアのノブに手を掛けた時、
何十人と言う集団が車の傍を通り過ぎて行く。
全員が文句を言っている。
その上睨み付けられる始末だ。
恐らく俺が難癖を付けているように思ったのかもしれない。
意思の疎通とは難しいものである。
一つ間違えれば喧嘩沙汰となる。
明瞭に聴こえなければ、只の言い掛かりと思い違いする事もあるだろう。
交差点でのトラブルもそんな些細な行き違いが発端なのかも知れない。
ここまで書き進み、気が落ち着いた。
どっちもどっちかもしれない。
そう思うようにした。
お互いさんである。
穏やかが何よりだ。
折角のホタル見物なのだから。
ある日、横断歩道の無い車道をゆっくり横断しているお年寄りが居て、運転している私がイライラしていると横に乗ってた人が「老人ってスター取ったマリオみたいやな」
って言いました。
周りお構いなしに無敵です。