「ぴいかん」 |
連休明けはぴいかんだ。
これ程の天気には滅多にお目に懸からない。
事務所に篭っていると罰が当たりそうである。
直ぐに着替えを済ませ大倉山へと向かった。
日差しは厳しいが、空気はさらさらで気持ちがいい。
連休中のお散歩はご法度であるから、10日振りの事となる。
とは言え、家では魚の目にも負けず、毎日チョコチョコ走りをしているから、息は上がらない。
しかし、スロジョギを再開して感じたことがある。
それは走るペースが遅くなっているという事だ。
腕時計を偶に見るくらいの計測であるからいい加減な物であるが、
確かに一周につき1分近く時間が掛かっているようだ。
かと言って、ペースアップする気もないので、如何でもいいことなのかもしれない。
これが今の自分のペースなんだろう。
走りながら空を見上げていると、全く雲一つない、正にぴいかんだ。
そう思った時、「ぴいかん」 っていう言葉は何処から来たのだろうと、ふと疑問が生じた。
子供の頃からこの言葉を使っていたような記憶があるが、定かではない。
学生時代には確かに使っていた。
「ピシィーとした感じのかんかん照りを表す言葉からかなぁ」
とスロジョギ中ずうっとそんな事を考え続けていたが、見当が付かなかった。
事務所に戻り、汗を拭き取り、着替えを済ませた。
空気が乾いている所為か、濡れタオルで拭いた体を、
もう一度乾いたタオルで拭き取った後のサラサラ感が堪らなく、気持ちがいい。
暫し、背凭れを深く倒し、目を閉じると、吸い込まれるように眠りに落ちた。
ほんの15分間程度のまどろみだった所為か、未だ頭がボゥっとしている。
コーヒーとチョコという何時もの通りの儀式のお世話にならなければならないようだ。
コーヒーを飲みながら、窓の外を見ると、相変わらずのぴいかんだ。
「そうだ、ぴいかんの語源を調べよう」
そう思い、手元の広辞苑を引いた。
「快晴のこと。もと映画撮影で用いた俗語」 とあったが、何か物足りない。
ネットでも調べた。
タバコの 「缶入りピース」 からという説もあった。
どうやら、快晴の空の色が缶の色である濃紺に似ているかららしいが、
この説にはピンと来ない。
それならば、撮影現場で快晴の折にはピントがカ~ンと合うという説の方が
まだ説得力があると思えるのだが。
明日は母の法要である。
月日の経つのは本当に早い。
天気予報によれば、明日もぴいかんであるそうだ。