「夏至からん、、、」 |
夏至を迎え、往生している。
夜が明けるのが早過ぎ、南に面している寝室の窓から差し込む明かりは容赦を知らぬ。
俺は真っ暗闇の中で寝るのを好むのだが、嫁は光がなければ不安に感じるらしい。
俺は座敷灯の豆球の小さな光でも気になる質だ。
頭上にあるのは特に気になるから、決して付けない。
今では部屋の隅にある足元灯で妥協している。
彼女は部屋が暗くなるのが不安で仕方がないらしく、雨戸を閉めるのを嫌う。
だから西面と南面にある二つの窓のそれぞれ一面を明かり取りに開いている。
今ではもう慣れてしまったが、本音を言えば暗いほうがいい。
だから夏場は大概寝不足となる。
目覚めが早くなり過ぎるのである。
二度寝、三度寝を決め込むのだが、スッキリした事など滅多にない。
真夏のひかりが燦々と照りつけると正に灼熱地獄となる。
午前8時ともなると寝てはいられない。
早起きするしか道はない。
無論この状態は真冬も同じである。
外気の冷え込みから防御する術さえない始末だ。
白い息を吐きつつ眠りに就くのである。
その分寒さには強くなったような気がしている。
日が長過ぎるのは困りものである。
午後6時過ぎは未だ日が高く、飲みに行くのも気が引ける。
その点冬至となると午後5時でも堂々と出掛ける事が出来る。
誠に自然とは頃加減を知らぬ不調法もので、ケシカラン。
俺とすれば午後6時に日が落ち、
午前7時くらいに夜が明けてくれれば言うことは何もないのだが、、、
厚い雲に覆われている空だが、未だまだ明るい。
午後6時丁度だ。
こう明るいと何時誰が来るとも限らないので、帰り支度には早過ぎる。
Tさんが持参されたギター・ウクレレの事が気になって来た。