「帳尻り合わせ」 |
災難は突如訪れる。
嫁から頼まれたお惣菜入りのタッパが意外と嵩張り、重い。
娘夫婦へのお届けものである。
それにお散歩用の着替えが加わると結構大変である。
手提げカバンと重く嵩張る荷物を両手に持ち、喘ぎ喘ぎしながら事務所に辿り着いた。
真っ先にやる仕事は加湿器への水量をチェックし、給水する事。
真冬の乾燥には要注意。
お次はブログの更新と来る。
昨日のブログにはチョッと驚かれたでしょう、、、
実のところ前々から短編小説風のものを書いてみたかったんですが、
アイデアが中々浮かんで来ず、頭の中で宙ぶらりん状態で消化不良気味となっていた。
しかし「私、この曲好き、、、」という出だしの台詞が湧き出た時から、
筆が面白いように走り出し、何とかかんとか原稿用紙3枚程度に纏める事が出来た次第。
何分急拵えの拙い文章ですが、お箸休め程度と思って頂ければ幸いです。
ブログ更新を終え、気持ちはお散歩モードへと切り替え、
さぁ着替えと思った矢先に携帯が鳴った。
面白い奴2号事、Sさんからだった。
万事休す。
体から緊張感という文字が粉々に砕け散って行くのが分かるくらい、落ち込んだ。
「直ぐに行きますわ」
と大声で言っていたものの、中々姿を現さない。
暫くラジコを暇潰しに聴いていると例のノック音がした。
「うわぁ~、久し振りやなぁ~」
「ここへ来たらホットするわ」
相変わらずでかい声を張り上げ、テンションは高い。
一人で喋りまくり、やがて話題はジョギングシューズへと移った。
目の前の靴が目に入ったようだった。
「うわぁ~、ヒロさんの足ってチッチャイなぁ」と来た。
自慢じゃないが、俺の足は小さく・扁平・甲高だ。
大きなお世話だが、これはこれで悩みもあり、相談した。
彼は何といっても元テニスのプロである。
靴には詳しい。
俺の靴を見ながら「この中敷きは要りませんよ」と言う。
理由も説明してくれた。
ご尤も、と理解が出来たので、早速試した。
流石である。
紐の締め方も教わり、バッチリとフィットした。
堪にはいい事もあるものだと思ったが、口には出さずにいた。
調子に乗せると余計に煩くなるからだ。
結局今日の一日は何も出来ずに終わった。
とんだ災難であったが、いいこともあったので、帳尻は合っていると思い直した。
日長事務所で独りパソコンと向き合っているより、
少々煩い奴とでもお喋りをしてる方が楽しいに決まっている。
また遊びに来てもいいよっ! (*^^)v