「ギターを考える」 4 |
「視覚から」 3
ヘッド・デザインの事はそろそろお仕舞にする。
飽いてきた。
ギター作りを目指す人にとっては最初に決めなくてはいけない大切な仕事なのだが、
最後の最後は「好き・嫌い」の世界。
自分でも迷い、他人に相談をしても堂々巡りとなる。
いっそプロのデザイナーに任せれば、と言うような無責任な事は言えない。
要は、決めた限りは自分の顔となるのである。
開き直ればいい。
自信を持って突き進めば良いだけだ。
もっと大切な事が山ほど待っている。
ヘッドへのバインディングの事で締めくくりたい。
フィールズを含め手工ギターの世界ではバインディングを施すことは稀である。
と、勝手に思い込んでいる。
手工ギターではボディーやネックのバインディングは
ローズウッド・メープル・コア等の木製である。
カッタウエー・ボディー(特にラウンド・カッタウエー)は木曲げが大変に面倒だ。
ボディーの形状にピタッと合わさなくてはならないので非常に厄介な作業となる。
同様にヘッドへの木製バインディングとなると結構手間が掛かる、
そして苦労の割りには映えないのである。
木と木であるから色が喧嘩して沈み込んでしまう。
その点、マーチンのようにセル・バインディングは白色であるから見映えがよい。
実に上手いアイデアである。
大量生産向きでもあるし舞台栄えのする容姿となる。
Style 45 などは見事なものだ。
ヘッド・インレイなどはマーチンの独壇場だ。
C・F Martin とドッカンと据えられたらどうしようもない。
スロティッドへはトーチ・インレイと来られれば、参ったというしかない。
対抗手段としては、
限りなくシンプルに重厚さを出すという一点に搾り込むのが得策と信じる。
ヒントとしてはヘッド・プレートの素材そしてカット面の生かし方だろう。
ソモギ・ギターは素晴らしいバール材(エンボイナやエルム・ウッド等)で
見端をよくし高級感を醸し出している。
以上は自分勝手な好みを述べたに過ぎない。
作り手にもプレーヤーにも好みがある。
あくまでテイストの問題であるからどの様な選択をするも自由である。
参考までに写真を上げてみた。
改めてヘッドを見つめ直してみると幾つかの再発見があった。
この再発見を生かし、フィールズをより洗練された作品へ導いて行ければと思う。
また、自分のアイデアの引き出しの数を増やし続け、
近い将来何がしかのお役に立てればという思いがより一層深まってきた。
つづく
私だったら、いくら良いギターでも『ホワイトレディ』はテレちゃうので無理ですが(笑)
それでも、造ってる側はそこまで考えて、他にはないデザインを考え出すんですね・・・
でも、好みは個人差があるから、結局はシンプルな処に辿り着く。よく分かります。
シンプルなギターはずっと眺めてても飽きないですね。
「見てても上手なれへんで」と言われたりしますが、声に出してお話すると変人扱いされるので、アイコンタクト取ってるんです。って、その方がヤバイすね(笑)