「ネック・リセット」 1 |
ギター修理の中でも厄介な部類に入ります。
要は何の為に手間隙を掛けるのかです。
メリットは何処に?
デメリットは何処に生じるの?
ギター好きの皆さんには知りたい疑問が沢山あると思います。
説明し尽せるとは決し思ってはいません。
が、出来る限りやってみます。
写真を交えて説明します。
一般的にオールドと呼ばれているのは
製作されてから40年程度の時間を経たギターのことを指すと理解して下さい。
1970年からマーチン社はハカランダからローズウッドへ切り替えをしました。
その時期とご理解下さい。
人でも40年経ちますと何処かにガタが来るものです。
ギターも一緒。
特に絃を張りっ放しにしておくとこの症状は顕著に現れる。
ネックのプル・アップです。
ネックがボディーの付根の部分から持ち上がってくるのです。
広義の意味ではネックの反りと思っていただいて結構です。
要は絃高が高くなり過ぎている。
リセットとはそれを解消する手段だと思って下さい。
簡易な方法ではヒート・プレスという方法がありますが、
自分はこの方法は採りません。
指板の平面を出せないのと
フラットしている絃長修正が出来ないからです。
用意する道具は箆(へら)類、電球と断熱材、そして圧力鍋。
電球はボディ上の指板下の接着材を熱で緩める為、
そして断熱材は他の部分の保護用。
圧力鍋は蒸気をネック付根部へ送り込み、接着部を緩める為に必要なのです。
つづく
自分のギターがこんな事にならないように気を付けないといけませんね。
絃の張りっぱなしはそんなところでも悪い影響が出てくるのですね。
むかーしむかし、まだギターを自分が弾くとは思ってなかった頃に、絃をはずした状態で置いておくのは良くないと聞いたのですが、それは逆反りが起こると云うことでなのでしょうか。
絃をびょんびょんに緩めたら、同じ事ですよね?
絃を張りっぱなしにしても、緩めすぎるのもギターにとっては負担になるのでしょうか?
それから、絃6本共同じように緩めないとバランスがくずれたりするんでしょうか?