「通信革命」 3 |
インターネットという怪物が現れた。
この怪物君の育つ速度の速いこと。
これを使う人間様は相も変わらずユックリとしか育たない。
情報の伝達は瞬時。
文字も映像も音声も同時進行。
商いにおいては考える時間を与えてくれない。
早いもん勝ちである。
そこに高値を付けたもん勝ちの世界を生んだ。
オークションだ。
人間の業を上手く使った方法だ。
売る方、買う方、個人、法人、誰でも何でもOKの世界。
ここでは、圧倒的に個人が多いと思う。
全く、個人の一人舞台と言っても過言ではない。
通信販売も同様である。
点と点を結んだ商いが成立する時代となった。
大昔の物々交換と変わらないのであるが、
点と点との距離が圧倒的に違うと言う事だ。
要は、お店を通して物を買うという事がなくなりつつあるということだと思う。
商店という生き物は絶滅危惧種になってしまった。
物を仕入れて売る。
そこで利を得る。
商店においては場所と人の確保が必要だ。
経費が掛かる。
競争がある。
利と経費が見合うか?
見合わないから絶滅危惧種となってゆく。
大店舗となり薄利多売で生き残るのか?
インターネットを通じ売りまくるのか?
自ら考えた物を創り売るのか?
自ら考えたものを創るといってもアウト・ソーシングではいけないと思う。
ましてや、ギターなどはもっての外である。
仏作って魂入れずとなる。
形は作れても、音は創れない。
賃金が安いという理由は一見、
合理性があると思いがちであるが、
永続性は見込まれないと思う。
第一、相手に対して失礼である。
まあ~、どれをとっても大変だし、リスクがあることは分かる。
自分の性分を考えると3番目ということになる。
自前のギター製作の道を選んだ。
通信革命はここまで世の中を変えてしまった。
伝達速度が速まれば速まるほど便利だと考えてきた。
それも何の疑いもなく。
自分の35年間は、実は通信という生き物をどの様に扱い、
飼い馴らすかと言う作業だったのかもしれないと、最近思うようになった。
最初は自分も若かった、それで上手く扱えた。
しかし、速度が次第に速くなってゆくと追いつこうとする事で消耗してしまった。
今でも、もがいて、もがいて、もがき続けている。
歳もとった。
実感する。
この項を書いていて気が付いた。
時の流れを止めることは出来ない。
時代とともに人の考え方も変わる。
自分を世の中というものに合せようとあくせくする必要があるのだろうか?
ましてや、相手は怪物君である。
どうしようもない。
別に、とって食われるわけではない。
ユックリ彼を眺めていればいい。
それからお付き合いの方法を考えてみても遅くはない。
要は、自分が変わればよい。
見方、考え方を変えれば相手への見方が変わる。
それでいいのかもしれない。
きっと、それでいいのだ。
バカボンのパパはやっぱりえらい!
この章 終り