「マウスピース」 |
呆れるほどのオッチョコチョイである。
いい方に考えると好奇心が旺盛ともいえる。
今、マウスピースに嵌まっている。
コレクションをしているのではない。
広い世の中である。
もしかして、マウスピースを集めている人がいないとは限らない。
しかし、そんな趣味はない。
マウスピースをしてお散歩に出るのである。
大分前の話になるが、歯の調子が悪く、顎が痛かった事があった。
事務所を訪れた兄に愚痴った。
「奥歯で割り箸を噛んどったらええ」とアドバイスをくれた。
兄は健康お宅である。
が、その話はそれっきり忘れていた。
二週間前の事だった。
枕もとに積み上げてある本を整理していた。
一冊の文庫本がころがった。
遠藤周作さんの「読んでもためにならない本」だった。
パラッとめくると、先程の話題と似たようなことが書いてあった。
翌日、割り箸を試そうと思った。
しかし、30cm長の割り箸を口に銜え散歩に出てゆけない。
口の中に納まる長さに切り、
ペーパーでそげを落とし、
磨き、そして綺麗に洗った。
それを奥歯で噛み、外へ出た。
携帯電話も掛かってこなかった。
割り箸を噛みながら会話は出来ない。
結果は非常に良好。
しかし、難点がある。
会話が困難になる。
それは先程述べた。
一番辛いのは唾が物凄く溜まる事だ。
これは困る。
滅多やたらと、そこら辺りで唾を吐き出すことは我が美学に反する。
我慢をした。
が、限度がある。
横を見、後ろを見、上を見る。
周りに誰もいないのを確認。
ぺ~っと吐き出した。
これが嫌だと思った。
世の中にはきっと同じ思いをしている人がいると信じた。
インターネットで調べた。
何と、500円チョッとで
EV樹脂という記憶素材で出来たマウスピースが売られていた。
90度のお湯で20~30秒熱すると柔らかくなる。
上の歯に押し当て、数回噛み、整形する。
お散歩の時に、それを装着する。
唾の欠点は克服された。
会話は相変わらず無理。
人相が少し変わる。
鏡で見ると、鼻の下が少々膨らみ、
チョッと助平そうに見える。
嫁さんに訊いてみた。
「そんなもんやで」とあっさりと言われてしまった。
しかし、それにもめげず、
手を口の前に当て、日々歩いている。
起きている時に無意識に噛み締めている人。ヒロさんは散歩中に噛み締めているようですね。専門用語ではTCHと言います。マウスピースだけでなく、まず自分で食いしばっていないか確認する事です。
上と下の歯を軽く咬んだ状態と少し隙間を開けている状態のどちらが違和感が無いかやってみてください。上と下の歯が接触している方が自然で、離れていると違和感が有る人は100%TCHがあります。
車の運転中、PCで仕事をしている時、家事をしている時等いろんな時に、無意識で咬んでいる人は多いですね。
自覚したらすぐに意識的に上と下の歯を軽く離す事を習慣にするとマウスピース要らなくなります。
奥歯に圧力をかけ続けていると、歯を支えている骨に良くないと聞いて、ビビってしまいました。
意識して噛み締めないようにしていますが、ギターの練習中はどうもそっちに気が回らないです。
いかに全身に力を入れて弾いてるかですね・・・
噛み締めなくなったら、指の動きもスムーズになるんでしょうね。