「音の変化」 |
或いは「時間の経過によって乾燥が進み、
音がよく成るのか?」という質問を受けました。
自分なりの解釈を披露したいと思います。
弾き込みによって音は変化して行きます。
完成仕立てのギターは「ガチガチの状態」だと思ってください。
各部分は接着剤で貼り付けられています。
固まった状態と想像していただいても結構です。
要は、まだ馴染んでいないのです。
弾く事によって振動を与えてやります。
すると、各部分が動き始め、接着した部分の動きが次第に滑らかになってゆきます。
振動に一体感が生じ、より効率的な動きを生み出します。
ですから、弾き込みに拠るこの変化は「善し」と考えています。
時間が経つにつれて木の中の成分変化は起こっています。
乾燥された木材の含水率は20%~30%だと言われています。
繊維細胞内の変化は少しづつ起こります。
確かに、オールド物で新品同様のギターであっても、
例えば40年経過していれば、それなりの乾いた音はします。
しかし、バラバラとした、まだ硬い鳴りに感じます。
経年変化と弾き込みが加われば
丸みを帯び、しかも立ち上りが良い反応をします。
只、これらの事は一般論です。
ギターは出来たときの音に左右されます。
上手く反応が起こらないギターはそれを引きずります。
なかなか化けてはくれません。
正解はありませんが、ギターを大切に扱う心は大事だと思います。
ギターにとって何よりなのは弾いてあげる事だと思います。
時々、ギターを弾いてあげていると言うより、ギターを弾かせていただいている気がするのは、私がギターに操られているのでしょうか・・・