ギター材について |
このブログを読んでいる人達の80~90%は「ハカランダはギター材の王様であり、
最高の音を導き出す素材である。」と信じている、と自分は思っています。
或いは、「一度でいいから所有し、本格的に体感したい。」と思われていると思う。
どうでしょうか?
何を隠そう、実は自分もこの素材は大好きなのです。
オールド・マーチンを数多く経験すればするほどハカランダの持つ魅力の虜になります。
色っぽい年増女性の魅力みたいなものかな?と想像します。
特に、柾目の持つ魅力には敵いません。素材を見ているだけでウットリとしました。
作っていてもウットリとしました。でも、今では「夢です」としか言いようがありません。
時代は変わってしまいました。
ただし、音に関して、ハカランダがベストですか?と訊ねられれば、
「違います。」と答えます。ベストな素材などはありません。
音にはベストは存在しないと思っています。
バックとサイドの素材のお話となると、素材の持つ重さというか質量によって
音の変化をもたらすと考えています。
ローズウッド系では1立方メートルで約800KG~1000KGの幅で
幾種類かのローズウッドがあります。
ハカランダは850~880KG程度ですので、重過ぎずといったところに位置します。
ですから、850KG程度のインディアン・ローズは少し軽めで明るい音色と感じます。
900KG~1000KGに位置するホンヂュラス・ローズやマダガスカル・ローズは
重厚な感じがします。メープルは約600KGそしてマホガニーは約550KGです。
軽くなるほど明るく、カラッとした音になります。
それもこれも、キッチリとギターが設計され、製作されているかが重要な事となります。
もっと大切な事は、ギターが持つ特色を弾き手がどう生かしてゆくのかという事だと思います。