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オリジナル・ブランド「フィールズ」という名前の由来を聞かれる事がたびたびある。
英語のFIELD(原っぱの意)なのだが、語呂が気になったのでSを付けフィールズとした。
「Feel So Fine!」をもじり「Fields So Fine!」というキャッチ・コピーを
作ったりした記憶もある。
実は、1979年に自前のフラット・マンドリンの製作を企画し、
製作を長野県にあった田原楽器にお願いしに行ったことからである。
(故)田原良平氏は日本におけるフラット・マンドリン製作のパイオニアであった。
この世界の古い人は「ジャンボ」というブランド名はご存知だと思う。
その「ジャンボ」の創設者である。ご自宅へ伺い、条件等の打ち合わせが終わりかけた時
「ところで、ブランド名はどうするの?」と尋ねられた。其のときまで、何も考えていなかった。
「私の苗字は冨田、そして社長は田原。田んぼと原っぱ。
英語ではFIELD。Sをつけた方が語呂がいいのでFIELDS。フィールズで行きましょう。」
もともと、田原さんは北海道で英語の先生をしておられた方。話が早かった。
そうそう、今思い出したが、今では立派な製作家になられたスミ工房の鷲見ちゃん。
田原さんのお弟子さんだった。
若くて、ピチピチはじけそうな、快活な好青年の印象が残っている。
当時、田原楽器は東京のK店へ「グラスランド」、輸出用の「ケンタッキィー」
それに「フィールズ」、合計3ブランドを供給していた。
名前が違うだけで中身は同じ、OEMである。
自分は違う路線を歩みたい。どうすれば解決するのか?
思い悩んだ末の結論は「自前の材料を供給しよう。」だった。
協力をお願いした先は実家の近くにお住まいのM氏。学校の先生の傍ら、
バイオリンの修理・製作をなされていた。物凄い凝り性な方で、
とことんまでやり遂げられる人だった。自宅に大きなプールをつくり、
観賞用の錦鯉も育てられていた。
ほかにもあるが、語りきれない。どれもこれも一流となられた。凄い人である。
何十年も自然乾燥されたメープルやドイツ松を分けてもらった。
楽器用材の見分け方も教わった。
「フィールズ・スーパー・スペシャル」の誕生である。
アメリカ材とは違う、優しく上品な音になった。
材で楽器の性格が変わる事を学んだ第一歩だった気がする。
つづく
名前の由来が分かって良かったです。
Fyldeからパクったのかと思ってました(笑)
不躾な質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いしますm(._.)m
コメントを頂きありがとうございます。申し訳ないですが、30年以上前のことで、スペック等は覚えておりませんが、田原さんの作品であることは間違いありません。