序章 3 |
歴史を語るなんて面映く感じるし、誇らしい人生とは一度も思ったこともない。 ひたすら、
「どうすればこの業界で生き残れるのか?」を考えていた人生。恐らく、そんなもんだった
と思う。そんなこんなを思いながら、「どうして、俺の歩んできた道というか、歴史を知り
たいと思うの?」と尋ねた。「いや~、単純に知らないんです。だって、僕は今29歳。
ヒロさんは、僕が生まれる前からこの仕事をしているんでしょう。」、「ヒロさんの古いお客さん
とか馴染みの人達は知っておられる事でも、僕たち若い者、そして何よりホームページに
アクセスして来る人達は、ヒロがどの様な店でどんな事をしてきた店なのかを知らない人たち
のほうが圧倒的に多いと思いますよ。」と。
「そりゃ、そうだな。」としか言いようがない。ましてや、自分の集大成として自らが手がけ、
ギターを製作する為にすべてを注ぎ込んだ家。その中の工房で製作している、自分の命とも
いえるフィールズ・ギターを世に出す為に広報しようとするのが目的のホームページ。
アコ―スティック・ギターに興味を持ってアクセスしてくれる人達に自分の夢を理解して
もらおうとすれば、自分を、そして自分がやってきた事をアピールするしかない。当たり前
と言えば、当たり前の事。正に、「目から鱗」だった。後ほど知った事なのだが、この様な
思いを伝える手段としてはブログが最適らしい。これとホームページとリンクさせるらしい。
その様な訳で始めるのがこのコーナー。色々な人達との出会いがあり、その人達から
影響も受け、其の時には何気なく通り過ぎ、忘れてしまっていた事を思い出し、それを書い
いこう。題材は「一枚の写真」。そこから甦る記憶。どの様な事を思い出すのだろうか?
自分自身の中で眠っていた事を呼び覚まし、書き留めてゆく。どの様に展開してゆくのか
解らない。とにかく、やって見よう。自分自身も楽しみながら。
(序章 終り) つづく